
合同会社の設立をお考えの方
合同会社ってどれくらい設立されている?設立登記の費用は?
司法書士への設立登記の代理を検討中の方は是非ご一読ください。

合同会社とは?
合同会社とは、所有と経営が一致している会社のことです。原則として、出資者がお金を出すだけでなく業務も行うということです。所有と経営を行う者を会社法上、「社員」といいます。世間一般でいう所の従業員という意味ではありません。
なお、株式会社とは、資金集めのために多くの出資者(株主)を募り、出資者とは別の人たち(取締役)が経営を行うことが出来る会社のことです。
どれくらい設立されている?
e-Stat(政府統計の総合窓口)による年度毎の合同会社、株式会社の設立件数を下に示します。
合同会社は2006年(平成18年)5月1日の会社法の施行から設立が可能になった新しい会社形態ですが、ご覧の通り、年月を重ねていく毎にどんどんと設立件数が増えてきているのがわかります。
株式会社の設立件数のほうが、合同会社よりもだいぶ多いのですが、
「株式会社と合同会社の設立合計数」に対する「合同会社の設立数が占める割合」はどんどん高くなっています。
2013年度
合同会社の設立数 14,581社
株式会社の設立数 81,889社
10年後
2023年度
合同会社の設立数 40,751社
株式会社の設立数 100,669社
なぜ合同会社の設立件数が増えてきているのか?
いくつか理由は考えられますが、一番大きな理由は
設立時及び設立後における費用が株式会社よりも安く済む点にあります。
事業を一から立ち上げる場合や、個人事業からの法人成りするかたにおすすめです。
設立時の登記費用
設立時にかかる費用 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
定款認証費 | 1.5万~5万円1 | 定款認証不要 |
定款謄本等 | 約2,000円 | 不要 |
定款収入印紙代 | 0円 or 4万円2 | 0円 or 4万円2 |
設立登記登録免許税 | 15万円~3 | 6万円~4 |
合計 | 16.7万円~ | 6万円~ |
※1 資本金の額等により異なる。
※2 電子定款の場合は収入印紙不要。書面定款の場合は4万円の収入印紙貼付。
※3 資本金の額の0.7%が登録免許税額となる。その額が15万円未満の場合は登録免許税額は15万円となる。
※4 資本金の額の0.7%が登録免許税額となる。その額が6万円未満の場合は登録免許税額は6万円となる。
設立時にかかる費用が株式会社と比べ格段に安く済みます。
ご自身で設立手続を全て行う場合は、定款を書面にて作成することとなるでしょうから、定款収入印紙代4万円が掛かりますが、それでも10万円で設立登記が行えます。
電子定款の場合は、収入印紙の貼付が不要です。
電子定款とはword等の文書ソフトで作成した文書をPDFへ変換し、それに電子署名をした定款のことです。
以下、簡単に電子定款作成の手順を記載します。(設立登記をオンラインで行う場合を想定)
- 電子証明書を取得する
公的個人認証サービスの電子証明書を取得する。
(例)住民票のある役所にてマイナンバーカードに電子証明書の発行を申請する。 - ICカードリーダーを用意する
公的個人認証サービスに対応したICカードリーダーを準備する。
【2,000円前後】 - 文書ソフトを使って定款を作成する
- PDFファイルへ変換し、電子署名する
Adobe Acrobat DC(Standard、Pro)にてPDFファイルへ変換する。
【2,728円/月 (初回であれば7日間無料体験版で大丈夫だと思われる)】
続いて、PDF署名プラグインソフトをインストールし、PDFに電子署名をする。
設立後の費用
設立後に定期的に 起きる事項 | 費用 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|---|
役員の重任登記5 | 1万 or 3万円6 | 原則約2年毎7 | 不要 |
決算公告 | 約6万円8 | 事業年度毎 | 不要 |
※5 役員が任期満了したが、その者が再び役員に就任する登記のこと。
※6 資本金の額が1億円以下の場合の登録免許税額は1万円。超える場合は3万円。
※7 原則は約2年毎。定款の定めにより最長で約10年毎となる。
※8 官報公告の場合。
設立後にかかる費用も株式会社に比べ安く済み、手間も省けます。
合同会社の社員には原則として任期はありませんので、重任登記が不要です。
また株式会社では事業年度毎の決算公告の義務が原則としてありますが、合同会社にはありません。株式会社でも、貸借対照表を自社のホームページ等に表示する方法(その登記が必要)を採用することにより決算公告の義務を免れることができます。その場合は費用は掛かりませんが、一人会社など小規模な会社であれば日々の業務に加えてその手間が増えることはやはり負担となるでしょう。
合同会社設立の流れ
- 定款作成
合同会社の原始定款を、社員となる者が作成します。
- 出資の履行
出資金を、社員となるもの代表社員の口座へ振込みます。
- 設立登記
設立登記申請書及び添付資料を作成し、
法務局にて代表社員が合同会社設立登記を申請します。 - 各種届出
税務署や役所等の各機関への届出をします。
合同会社設立登記の代理申請
弊所では上記設立の流れの中の
①定款作成(電子定款)
③設立登記
を社員及び代表社員に代理して承ります。
前述しました通り、電子定款は収入印紙代の4万円が不要ですので、実費として必要なのは登録免許税(6万円~)のみです。
登録免許税は資本金の額の0.7%です。その額が6万円未満の場合は、登録免許税は6万円となります。
つまり、おおよそ資本金額857万円までは登録免許税は6万円となりますから、ほとんどの合同会社の設立時の登録免許税は6万円となるでしょう。
合同会社設立時の資本金の額は、100万円未満とする会社が約半数です。
資本金の額について詳しくはこちら
料金
実費(登録免許税) | 6万円~ |
報酬 | 4万円 |
合計 | 10万円~ |

まとめ
令和7年現在で、合同会社という会社形態が生まれてから20年目になります。
株式会社に比べると合同会社の数は少ないですが、新たに設立される件数の割合は上述した通り勢いがあります。
それと同時に知名度も上がってきております。
設立時も設立後も費用面で株式会社よりも安くなりますし、
社員さえいれば他に必置機関はありませんので、一人会社や家族経営などで特におすすめの会社形態です。
起業時は合同会社で設立し、その後、出資者を増やしたり、一緒に経営していく仲間が増えてきたりなど、規模が拡大してなにか不都合が生じてきたならば、株式会社へ変更することも可能です。
貴殿の夢が実現する瞬間に、微力ながら立ち会わせていただければと存じます。
どうぞお気軽にお問合せくださいませ。
なお、ご自身で全ての手続きをされたい方は、以下の記事も参考にして頂ければ幸いです。